ガラスの大地

詩や日記を書きます

陽闇に座す

 

 


街は世界の凸凹を隠すように、10進数みたいに真っ直ぐ連なっている。

 


春の陽気に乗って香るクヌギの匂いは僕の孤独を強調したけれど、聳える家々が僕を一人にはしないのだった。

イヤホンではずっと希望の歌が流れていて、孤高に浸る暇もない。そこには道標がある。光るアナロジーを持って僕は歩いた。

 


我々は幸福の落とし子。

だからこそ痛覚に走るのは悲しみだけだった。

街並はそこに無言で在る。

忸怩たる思いを持つことは正義だ。

 

 

 

星々の規律と砂の鼓動。全ては一粒の思いから生まれるスライムみたいなものだ。

 


今日も朝まで一番星が輝いていた。