ガラスの大地

詩や日記を書きます

曖 眛 me mine

 

 

 

太った女が高架下で音楽を聴いていた

仏頂面で僕に手招きをしているが、僕はそれを煙草を吸いながら冷たい笑顔で見返している

 

僕はここにきた理由を思い出そうとした

でも全く思い出せなかった

女が決意めいた表情をしていたのでいろいろと聞いてみようとおもったけど、やめた

 

 

大きな電車の音がすぎていく

叫んだところでどうせ言葉は伝わらないだろうと決めつけて、女の顔を見つめていた

クリームの中を泳いでるみたいな気持ち悪い初夏の風が僕の顔に吹き付けているのを感じる

煙が目に入って涙が出た

 


とりあえず女に愛していると言ってみた

聞こえてないみたいだ

電車がうるさかった


女は僕に何か言った

聞こえない

口元からは何も読み取れなかった

たぶん、愛してるって言ったんだろう

 

 

ありがとうと返した

そしたら女は少し笑った

 

僕は、嬉しくなった