ガラスの大地

詩や日記を書きます

日記 : 六月は雨が多い。

 

 

 

日々の体調が低気圧の気分次第で躁にも鬱にもなる六月。体表は湿気で汗ばみ、毎日スーツで出社するぼくの気分もだんだん湿ってくる。

雨が降らずとも、これでもかとデカく育った灰色の雨雲を見ていると、確かに鬱々とした気持ちになるものだ。

紫陽花でも見て匂いを感じてリフレッシュするなんてのもいいが、僕の街では公園にしか花が咲いていない。公園なんぞは通勤中に通りかかりでもしない限りわざわざ行ったりしないので、そんなものは咲いていないのと同じだ。

だからこういう日はキレ味の良いラガーでも買って、一気に胃に流し込むのが最も手っ取り早く幸福を感じられるのだった。強炭酸と、味を捨てて喉ごしにその力を全振りした市販のビールは、僕が社会の歯車の一つであることを思い出させてくれる。全く現金な自分が嫌になるが本当に手っ取り早いので仕方がない。

 


帰り道のコンビニでアサヒスーパードライの500ml缶を一本買い、冷蔵庫へしまう。シャワーを浴びている間にぬるくなってしまった元も子もないので、短い時間でもとりあえず冷えていてもらわないと困るから。

 


シャワーからあがり体を拭き、顔に用途のよくわからない化粧水とクリームを塗りたくり、ようやく一息ついたところでビールを空けられる。

至福の一時というにはあまり稚拙すぎるが、こんなふうに誰もがやることを改めてやってみると、このビールが長く愛されている理由もわかってくるし、なんとなく大人の仲間入りをしたような気分になる。

 


そんなこんなでもう眠る時間になってしまって、明日の仕事も嫌だな、なんて考えながら。でもお金が欲しいからもっと頑張らないとなとも思いながら床につく。

 


こうやって日々を過ごしているが、いつも1週間はあっという間だ。光陰矢のごとしは嘘だった。光陰は矢なんかよりもよっぽ速い。光陰は光陰と同じスピードでしかない。

時間は時間のままで十分速いのだ。