日記 : どこからきて、どこへ行く
心にあるわだかまりを言葉にするのは実に難しい。
喜怒哀楽を表現する言葉はたくさんあるはずなのに、自分の心を表現するぴったりの単語はいつも思いつかない。
暗い気持ちに囚われてはいるものの、完全に真っ暗というわけでもなく、少しの希望も残っている。この気持ちはどこから来たものかもわかっているし、誰のせいなのかも理解している。でも理解しているからってそれを解決できるとは限らないのが僕の運命だった。
今の心を表現する言葉を思いつきさえすればすべては救われると考えるのは楽観的すぎるだろうか。
言葉一つじゃ何も変わらないのもわかっているが、それを考えることをやめられない。僕は僕の奴隷だ。何をするにも僕からの許可がないとできないのに、奴隷だから選択肢はない。いつも必要に駆られて、どうしようもなくなってから動き出す。
喜びを喜びのままに、悲しみを悲しみのままに。そうやって生きてきて、何も残ってない。
いつまでも忘れられない。未練がましく生き続けている。
言葉と言葉の繋がりの中で、僕はその繋がりを自分から断ち切ってしまった。
誰もが液晶を一枚隔てた向こう側にいる。それとつながるには言葉しかないのに、手段を失えばあとは転落するだけだ。例外はない。
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人生はいつも愛と金だ。今の僕にはどちらもない。
ひとたびそれを手に入れたら、最後まで使い切ってしまうのは僕の悪い癖だと思う。
だから思い出に縋りついている。たまにそれだけが人生の目的としていいのかと思うけど、思ったところで僕には世界を救う方法も手段もない。だから結局愛と金を追い求てしまうのだろう。
どうにも満足できないのは、それ以外に人生の目的を探しているからだ。だから僕の夢は世界平和とかなんとか、そんなことを呟いたりしている。
でも、どうしても愛と金だけじゃあ物足りないような気がする。
どうしても、どうしても。
それら以外を探してしまって、結局元の場所に戻ってくる。
命の意味はそんなシンプルじゃないと思い込みたいのだけれど、今のところ最後のピースは見つけられていない。死ぬまで見つからないのかもしれない。でも、探すことを諦めるのは一番ありえない。
それさえ見つけたら愛も金もいらなくなるんじゃないか?こんな世間知らずのガキにも、世界を救えるんじゃないか?
そう思う。
そう思いたいのだ。